自然言語には英語のanyを初め、分布が限定されている(否定)極性表現があるが、その交差言語的研究のひとつとして、日本語の極性表現を研究する。特に、「ひとつでも」など「でも」の取り立て詞を含んだ表現を中心に考察し、その意味的特徴や認可要素の特定をする上で、「しか」や「なにも」などの否定極性表現と比較し、日本語における極性表現の分布や特徴を体系的に研究する。また、英語のanyを中心とした極性表現の現存の学説と照らし合わせ、統語論、意味論、または語用論のどのような説明が適しているのか、どの理論がより効率よく適切にデータを説明できるのか検証する。
自然言語における(否定)極性表現の研究は英語を初め、ドイツ語、オランダ語、ヒンドゥー語、ギリシャ語など様々な言語で進められており、日本語も「しか」や「なにも」の研究は古くから行われ、否定表現の「ない」と伴ってしか現れない厳密な否定極性表現として特徴づけられてきた。本研究では、否定以外の環境で現れる極性表現が日本語にもあることを表し、その特徴と認可環境を交差言語的視点で体系的に捉えようと試みる点が特徴といえる。また自然言語における極性表現の多様性や特徴づけにも貢献する点で有意義な研究といえる。
本研究の対象となっている表現が実際の言語資料においてどのように使用されているかを確認し、認可環境の違いや頻度を確認するようなコーパス言語学的な視点からの研究へ発展させることができると考える。それにより、それぞれの表現がどのような認可環境での使用が多く、またどのような認可環境では使用されにくいのかなどの情報を得ることができ、それぞれの表現の使用状況をより適切に捉えることができ、言語教育などにおいてもその情報を有効に活用できることが期待できる。
このようなネットワークが今後活用されることを期待しています。
主な講義のテーマ | 意味論、語用論 |
---|---|
担当講義名 |
|
講義の概要 | 言語学の専門分野として意味論や語用論の科目を担当しているのと、英語教育の一環として発音やリスニング、また英語でのプレゼンテーションなどの授業も担当しています。専門の方では、意味論や語用論の基礎的な概念を学び、英語の文やことばのやり取りを分析します。英語の方では、学外のプレゼンテーションコンテストのテーマに沿って学生にプレゼンテーションをさせています。 |
社会貢献できる関連分野名 | 英語教育 |
---|