超高齢社会を迎えたわが国では認知症やエンドオブライフケアの問題は国家戦略として打ち出されている。診療報酬や介護報酬改定にもこの点について評価されている。しかし、それに対応する医療や介護の場では、人材不足、ケアの質などの課題が山積みである。筆者が手がけている研究は、認知症やエンドオブライフケアという今まで経験に委ねてきた分野を科学的に解明し、電子化等のシステムを開発し、効果効率的なケア、患者の幸福を目指す。
認知症の症状には認知症状とBPSD(認知症の行動と心理症状)に分けられる。後者は介護者を困らせるものであるが、ケアや環境調整等で改善の見込みがあるとされる。本研究は、認知症をもつ者に対して、包括的にアセスメントし、それに応じたケアプラン、アウトカム評価を迅速的に行うための「包括的BPSDケアシステム®」の開発を行うものである。すでに数々のケア現場でアウトカム評価が行われ、ソフト化も行った。今後は全国的なデータ蓄積のもと有効なケア解析ができることを目指している。
超高齢社会において認知症や終末期ケアニーズは高い。そのなかで、人材不足のなか、効果効率的なケアシステムの構築が求められている。また、ケアの場は病院から在宅に流れ、在宅におけるケアは簡便なもの、より的確なものが求められている。高齢者は人生の最終段階を迎える者が多く、エンドオブライフケアにおいてもがんや慢性疾患(心不全やCOPD等)、認知症、寝たきりと多様である。その経過のなかでは症状マネジメントやACP(アドバンスケアプランニング)の要素などのケアが求められる。これらを簡便でわかりやすいプログラムにし、電子化することで的確なケア解析と評価が可能となることが期待できる。
AMED分担者(平成29年度から平成31年度)
科研費基盤研究C(平成28年度から30年度)
群馬県は豊富な地質・気候を含めた資源をもっています小さな研究の原石を集めて、全国、世界に発信しましょう
主な講義のテーマ | 老年看護学 |
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担当講義名 |
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講義の概要 | 老年看護学に関連する講義を担当している。加齢や発達課題などの老年期の特徴、高齢者施策や制度、人口動態、老年病と看護、高齢者へのアセスメント・ケアプラン・実践・評価、高齢者や認知症者へのコミュニケーション、症状に対する看護、生活援助や医療処置の方法、エンドオブライフケア、研究方法など多岐に渡る内容を実演や豊富な教材を活用して、楽しくわかりやすい講義を行っている。 |
社会貢献できる関連分野名 | 地域での介護予防(尿失禁や寝たきり予防等)、高齢者・認知症介護、地域包括的ケアシステム |
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参画している審議会・委員会名 |
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直近の講演会のタイトル | 住み慣れた地域で生活するために、輝く私に!尿失禁予防、人生の終焉のケア |
群馬大学ベストティーチャー賞優秀賞受賞経験あり、年間地域での講演依頼多く、自称「群大の吉本」おもしろい講義が持ち味