遺伝学的検査の技術の進歩に伴い、出生前検査の選択肢が増え、十分な説明を受け理解した上での受検でない事例も聞かれます。2022年日本医学会により「非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)等の出生前検査に関する情報提供及び施設認証の指針」が公表され、助産師をはじめとした看護職者には出生前検査を検討している妊婦やカップルに関わる機会が増えることが予測されます。遺伝学的検査等の受検を考える女性やカップルの思いを理解した支援が求められていると考えます。
ムコ多糖症のうちX連鎖潜性遺伝の様式を有するの子を持つ母親15名を対象に、子どもの確定診断後における母親自身保因者診断・次子妊娠に関わる出生前診断、きょうだい児に関する思いについて明らかにすることを目的に、半構造化面接を行いました。遺伝性疾患であることに自責感を抱くこと、遺伝ゆえの仕方なさと自責感との揺らぎから受け入れるが、次子計画について出生前検査を前提に考え、妊娠に慎重になること、きょうだい児への遺伝に関する伝え方に苦慮する母親の葛藤が明らかになりました。母親ならびに患者である子のきょうだい児の女性のリプロダクティブヘルス・ライツと支援について研究を継続したいと考えます。
産婦人科医療施設や地域で母子健康手帳交付に従事する看護職者のニーズを把握し、出生前検査を勧める/勧めないという情報提供だけに留まらず、子どもを持つということに関して相応しい支援を行えるよう、地域の保健センター等と協働を目指したいと考えます。
ぐんまダイバーシティ地域推進ネットワークを通じ、県内の大学の研究者や女性の健康支援を行う企業との協働において研究活動、地域貢献につながることを期待しています。
主な講義のテーマ | 助産学 |
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担当講義名 |
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講義の概要 | 助産師国家試験受験資格取得に向けた指定規則の科目ならびに助産学分野修士課程の研究指導を担っています。 |
社会貢献できる関連分野名 | 母子保健、更年期女性のカウンセリング |
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