昨今,性別や年齢,国籍,障害の有無にかかわらず,それぞれが自立し,認め合えるような共生社会の構築が喫緊の課題となっている。しかし,社会心理学の研究によると,私たちは,自分とは立場の異なる人を偏見の目で見てしまうことがあり,それを避けることは非常に難しいことが明らかになっている。そこで,偏見や差別がなぜ生じてしまうのか,そして偏見などの固定観念にとらわれずに相手のことを理解するにはどうすれば良いのか,という問題について研究している。
単純にステレオタイプ的な思考を避けようとしても,うまくいかないことが社会心理学の研究で明らかになっている(リバウンド効果)。そこで,ステレオタイプ・偏見を生み出す要因を心理学実験によって実証的に検討することで,偏見を低減する方略を考えることができる。
特に最近は,社会的弱者に対するバッシングや在留外国人に対する差別がなぜ生じるのか,また,どうすればそういった状況を打開できるのかに興味を持っている。社会福祉や地域政策など幅広い分野からのアプローチが有効だと考えている。
2020年度-2023年度 科学研究費補助金(若手研究) 在留外国人への援助政策の賛意を促進するには:ステレオタイプの内容に注目して
さまざまな分野の研究者が協働することで,社会に貢献できる知見を生み出していくことを期待しています。
主な講義のテーマ | 社会心理学,社会調査 |
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担当講義名 |
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講義の概要 | 実証的なデータに基づいた政策策定や地域づくりをするためには,人の心理・行動原理を解明していくことが必要である。そこで,社会心理学の調査・実験などの実証的な研究知見を解説し,方法論についても学ぶことを目指している。 |
社会貢献できる関連分野名 | 社会的包摂,多文化共生,男女共同参画 |
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