女性研究者シーズ集

群馬大学 大学院理工学府
鈴木 真粧子[ Suzuki-Sakamaki Masako ]
http://researchers-info.st.gunma-u.ac.jp/base_suzuki_masako/
研究分野
X線分光、薄膜物性
主な研究テーマ
軟X線分光、表面・界面、磁性薄膜、マルチフェロイクス
キーワード
  • 放射光科学 Synchrotron Science
  • 軟X線分光 Soft-X-ray Spectroscopy
  • 表面・界面 Surface and Interface Science
  • マルチフェロイクス Multiferroics
  • 磁性薄膜 Magnetic thin film

連絡先
群馬大学 大学院理工学府  鈴木 真粧子 准教授
TEL : 0277-30-1111(代表)

軟X線を用いた精密界面分析法の開発と、界面新機能の探索
High-sensitivity interface analysis by soft x-ray spectroscopy, Exploring a novel interfacial function

パソコンやスマートフォンなどの頭脳を司っているのは、半導体や金属などの微小な構造体からなるデバイスです。nm程の薄膜を重ねて作る積層デバイスを用いることで、演算や記憶などの「機能」を作り出すことができます。薄膜の重なり面である「界面」では、機能の起源となる電子やスピンの状態が不連続につながり、それが新たな機能を生み出したり、時には機能の邪魔をしたりします。私は大型加速器から生み出される非常に強い光「放射光」を用い、界面の状態を精密に観察する先端的な光計測技術を開発しています。標準的な顕微鏡とは異なり、光を使ってデバイス内部を透視し、化学状態を分析する画期的な分光学的な手法です。この手法を使って界面の良し悪しを診断し、高性能なデバイス開発に役立てたいと思っています。

蛍光収量型深さ分解軟X線吸収分光法の開発とデバイス界面のオペランド分析

深さ分解軟X線吸収分光(XAS)法はつくば市の放射光施設(Photon Factory)で開発された手法であり、原子層レベルの深さ分解能で表面状態を観察することができます。この技術を応用し、「外場中での界面状態観察」を可能としたのが蛍光収量型深さ分解XAS法です。これまでに磁性体/誘電体や磁性体/イオン伝導体のヘテロ界面を対象に、電界中で界面状態を観察した結果について報告してきました。現在は超高感度観察に向けて高度化を進めています。将来的には実デバイスへの応用を視野に入れ、埋もれた界面の化学・磁気状態を精密に観察できる画期的なオペランド分析法として確立したいと考えています。また新たな機能創成に向けて、特異な界面構造の探索も進めたいと考えています。

超精密オペランド界面分析法のデバイス応用

私は現在、精密界面分析の高感度化、およびデバイス動作下におけるオペランド界面分析法の開発を行っています。これらの分析によって、分光学的視点から界面の微視的な電子状態や局所構造について議論することができます。多くの薄膜デバイス材料には酸素や炭素などの軽元素や遷移金属元素が含まれており、軟X線をプローブとして用いることでそれらの電子状態を詳細に議論することができます。さらに本手法特有の「深さ方向分析」によって、デバイス表面、あるいは埋もれた界面の化学・磁気状態を元素選別的に調べることができます。放射光軟X線分析、デバイス界面の精密オペランド分析に興味のある方はぜひご相談下さい。

外部資金獲得状況

蛍光選別型軟X線深さ分解XAS法の開発とイオン伝導体/強磁性体界面の精密観察(若手研究B)
研究期間: 2017年4月 – 2019年3月
マルチフェロイック特性を示す強磁性体・絶縁体接合における界面酸化物の機能解明(若手研究B)
研究期間: 2015年4月 – 2017年3月

ぐんまダイバーシティ地域推進ネットワークへの期待

私どもの研究について広く知っていただき、ぜひ利活用していただきたいと思います。気軽にご相談下さい。

教育に関する情報

主な講義のテーマ 電子物性、光物性、放射光科学
担当講義名
  • 理学インテンシブVII
  • 物性科学特論
講義の概要 (1)光と物質の相互作用と多様な光物性とその実験手法についての解説
(2)表面・界面科学、磁性・誘電体物性など、材料研究に必要な物性物理学についての解説

社会貢献に関する情報

社会貢献できる関連分野名 科学教育、共同研究
参画している審議会・委員会名
  • 日本放射光学会行事委員会
  • 文部科学省科学技術・学術政策研究所科学技術予測センター専門調査員
  • 日本学術振興会第147委員会「アモルファス・ナノ材料」委員
直近の講演会のタイトル 精密界面分析に向けた蛍光分光深さ分解XAFS法の開発

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