炎症の収束過程は生体の恒常性を維持するために必要な能動的機能である。研究者はこの機序に着目し、新規に同定された炎症収束性メディエーターに着目し気管支喘息モデルにおける役割について解析してきた。
ω3系脂肪酸から産生される新規炎症収束性はもともと生体内にある内因性物質であり、創薬へつながる可能性を秘めている。各炎症性疾患に対する効果も報告されてきているが、研究者は呼吸器炎症性疾患に焦点をあて、その解析を進めている。
元来、ω3系脂肪酸は気管支喘息をはじめとする炎症性疾患の増悪予防、発症抑制効果など数多くの疫学的調査が報告されている。これらの疫学的報告を証明する要素として 新規炎症収束性メディエーターは注目されている。血液中や生体材料におけるこれらメディエーターの濃度が測定できるようになれば、疫学的調査の裏付けになり得る。また、疾病発症予測なども可能となり得る。
医学の分野にとらわれず、異分野間での共同研究を進めていくことで、創薬へつなげていきたい。
社会貢献できる関連分野名 | 医学、呼吸器・アレルギー内科学 |
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