先行研究で提案されている避難の心理モデルを基に、避難の意思決定プロセスにおける避難決定の促進要因と抑制要因を加えたモデルの発展形を構築することを目的としている。津波災害と水災害の被災者に対するアンケート調査を行った複数の先行研究を精読し、そこから見えてくる促進・抑制要因を抽出し、意思決定の各段階に加えることで、より現実に即したモデルを作ることができる。また、2つ目の研究目的として、音声知覚実験を実施して、避難心理に訴える避難呼びかけ(避難勧告、避難指示)のあり方を探る。
自治体の防災マニュアルの中の避難呼びかけ文(避難勧告、避難指示等)を複数の自治体から収集し、その言語的特徴(言語量、構文の複雑さ、使用されている文言、含まれている災害情報の種類等)を分析する。これにより、これまで自治体が各々作成した避難の呼びかけ文を総合的に把握することができる。このような研究は、筆者が知る限り、これまでなされてこなかった。言語特徴の分析結果を応用して、音声知覚実験を実施することで、聞き手に緊急性を訴えかける文言や発話の仕方を調査する。
上述した音声知覚実験は、なるべく広い範囲の地域や年齢層の方を対象に実施した方が、より信頼性の高いデータを得ることができる。そのために、協力していただける自治体があれば、ぜひ共同研究を行いたい。また、自治体が既に作成した避難呼びかけ文を見直し、より効果的なものにするための提言なども行っていきたい。
・2017年〜2020年「自然災害避難呼びかけ文の効果的な言語的特徴の探究〜より避難心理に訴えるには」科研費基盤研究C
・2015年〜2016年「水災害避難伝達文の言語学的分析」一般財団法人河川情報センター研究助成
・2014年〜2017年「自然災害発生時における避難文の言語学的分析」科研費基盤研究C
地域自治体や他の研究者と繋がることのできるネットワークとしての活用を期待しています。
主な講義のテーマ | 言語学、音声学 |
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担当講義名 |
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講義の概要 | 英語科目では、英文法、リーディング、発音、初級言語学の講義や演習を行い、学生の英語スキルの向上を目指しています。専門科目では、調音音声学、音響音声学、聴覚音声学、音韻論の講義やコンピュータソフトを用いた音声分析を行い、学生が音声学・音韻論の幅広い知識の習得ができるよう指導しています。 |
社会貢献できる関連分野名 | 災害コミュニケーション |
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参画している審議会・委員会名 |
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