女性研究者シーズ集

群馬大学 大学院理工学府
川﨑 愛理[ Kawasaki Airi ]
研究分野
物性物理学、量子化学
主な研究テーマ
強相関電子系のための精密計算手法開発
キーワード
  • 強相関電子系 strongly correlated electron systems
  • 電子状態計算 electronic structure calculations
  • ジェミナル波動関数 geminal wavefunctions
  • 量子コンピュータ quantum computing

連絡先
群馬大学 大学院理工学府 電子・機械部門 川﨑 愛理 助教
TEL : 0277-30-1721

ジェミナル波動関数を用いた電子状態計算手法の開発
Development of electronic structure methods using geminal wavefunctions

物質の性質は電子の振る舞いによって決まるため、電子状態を高い精度で計算できれば、材料や分子の性質を実験に先立って予測することができます。しかし、遷移金属化合物や磁性体、超伝導体などの強相関電子系では電子同士が互いに強く影響し合うため、広く使われている従来の計算手法では十分な精度が得られません。本研究では、2つの電子の組(電子対)を単位として多電子の状態を表す「ジェミナル波動関数」に着目し、強相関電子系を現実的な計算コストで精度よく扱う計算手法を開発しています。従来型のコンピュータ上での手法開発に加え、量子コンピュータや量子モンテカルロ法と組み合わせた新しい計算手法の開発にも取り組んでいます。

精度と計算コストの両立を目指す電子対の記述

電子状態計算では、精度を上げるほど計算量が大きくなるのが一般的です。特に、電子同士の相関をすべて厳密に扱おうとすると、計算量は電子の数とともに指数関数的に増えるため、計算できるのはごく小さな分子に限られます。本研究で用いる電子対の記述では、多数の電子の状態を、電子対を表す比較的少数のパラメータでまとめて表します。そのため、電子が対をつくることによる強い相関を取り込みながらも、計算量の増え方を電子の数の多項式程度に抑えることができます。厳密な計算では扱えない大きさの物質にも、強い相関を考慮した計算を適用できる可能性がある点が、本研究の特徴です。

高精度な電子状態計算による材料・デバイス開発への貢献

電子状態計算を用いると、材料や分子の性質を実験に先立って計算機上で予測できるため、材料探索やデバイス設計における試行錯誤を減らすことにつながります。特に、遷移金属を含む触媒や磁性材料のように電子同士の相関が強い物質では、従来の計算手法では信頼できる予測が難しいことが多く、本研究で開発している高精度な計算手法が役立つと考えています。

ぐんまダイバーシティ地域推進ネットワークへの期待

理工系の女性研究者はまだ少ないため、分野や所属を越えて研究者同士がつながり、情報交換や共同研究のきっかけが生まれる場となることを期待しています。地域の企業や教育機関との交流の広がりにも期待しています。

教育に関する情報

主な講義のテーマ 電気電子回路、電子工学の実験
担当講義名
  • 電気電子回路演習
  • 電子・機械基礎実験
講義の概要 電気電子回路の演習と、電子・機械工学および電子情報通信の分野の学生実験を担当し、学部教育の基礎を支えています。

社会貢献に関する情報

社会貢献できる関連分野名 量子コンピュータ、計算化学、材料シミュレーション

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