女性研究者シーズ集

群馬大学 大学院情報学研究科
片山 佳代子[ Katayama Kayoko ]
https://gunmadaigaku-kk.inf.gunma-u.ac.jp
研究分野
社会医学、健康行動科学、疫学
主な研究テーマ
リアルワールドデータを使ったがん疫学研究と社会実装
キーワード
  • 疫学 Epidemiology
  • リアルワールドデータ Real-world data
  • がん登録 Cancer registration
  • 普及と実装科学 Dissemination and implementation science
  • 子宮頸がん予防 Cervical cancer prevention

連絡先
群馬大学 大学院情報学研究科 ヘルスデータサイエンス研究室 片山 佳代子 准教授
TEL : 027-220-7427 MAIL : kkatayama11gunma-u.ac.jp

・リアルワールドデータを活用したがん対策の可視化と意思決定支援
  Visualization and Decision Support for Cancer Control Using Real-World Data
・健康情報の対人伝播とKnowledge Fidelity ― 口コミを活用した健康行動変容への実装研究
  Interpersonal Diffusion and Knowledge Fidelity of Health Information: An Implementation Study Using Word-of-Mouth to Promote Health Behavior Change

がん対策では、質の高いデータや科学的根拠が存在するだけでは、必ずしも地域の施策や人々の行動にはつながりません。そこで私は、全国がん登録等のリアルワールドデータを活用して地域の健康課題を可視化し、自治体等の意思決定につなげる研究を行っています。また、エビデンスに基づく健康情報が専門家から市民へ、さらに家族や友人へと伝わる過程に着目し、情報の対人伝播とKnowledge Fidelity(知識の忠実度)、健康行動変容との関連を研究しています。データやエビデンスの「見える化」にとどまらず、実際の意思決定や行動に結びつく「使われる化」を目指しています。

リアルワールドデータと健康情報を活用した地域がん対策 ― 可視化から意思決定・行動変容へ

私の研究の特徴は、データやエビデンスを分析・提示する、記述疫学で終わらせず、地域の意思決定や人々の行動につなげる点にあります。リアルワールドデータを用いた研究では、全国がん登録等から地域のがん罹患や検診の課題を可視化し、その結果を自治体と共有して、地域の実情に応じたがん予防・検診施策へつなげています。特に、データから地域課題を発見し、行政や医療機関等と協働して具体的なアクションへ展開するプロセスを重視しています。
一方、健康情報の研究では、正しい情報を提供するだけで人々の行動が変わるわけではないという課題に着目しています。HPVワクチンに関する実証研究では、保健師等から学んだ情報が参加者を介して家族や友人へ口コミで伝わる過程を追跡し、伝達された知識がどの程度保持されるかをKnowledge Fidelityとして定量化しました。このような「人から人への情報伝播」を科学的に評価することで、ワクチン接種やがん検診など、知識と行動の間にギャップがある健康課題への応用が可能です。
リアルワールドデータによる「課題の可視化」と、健康情報の伝播による「行動変容」を組み合わせ、エビデンスを実際に地域で「使われる」ものにすることを目指しています。

患者・市民参画(Patient and Public Involvement:PPI)によるがん研究・がん対策の共創

本研究は、自治体、医療機関、企業、患者・市民団体など、多様な主体との共同研究への展開が可能です。自治体や医療機関とは、がん登録や検診データ等のリアルワールドデータを活用し、地域の健康課題の可視化、施策の立案、実施後の効果検証までを一連の研究として進めることができます。
企業との共同研究では、ワクチン接種やがん検診、がん予防などをテーマに、健康情報や啓発資材の開発に加え、「情報を届けたか」だけではなく、その情報がどのように理解され、人から人へ伝わり、実際の行動につながったかを評価する研究への発展が期待できます。
また、研究の企画段階から患者・市民が参画するPatient and Public Involvement(PPI)を取り入れ、研究課題の設定、資材開発、結果の解釈、成果の発信までを研究者と患者・市民が協働して進めることも可能です。データ、健康情報、患者・市民の経験知を組み合わせ、研究成果を地域や社会で実際に活用できる形へつなげる共同研究を目指します。

外部資金獲得状況

①2026.01~2029.03 Japanese Society of Clinical Oncology and Pfizer Quality improvement RFPcompetitive grant program.
②2025.4~2027.03 厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)「がん対策における患者・市民参画を推進するための標準教プログラムの確立に資する研究」
③2025.4~2028.3 科学研究費助成事業(科研費) 基盤研究(C)「女性がん経験者の第2がん予防に関する啓発資材の開発と有益性の検証」
④2024.4~2027.3 国立がん研究センター研究開発費2024-A-18「がんの統計情報の整備と活用に関する研究」
⑤2023.4~2026.3 厚生労働科学研究費補助金がん対策推進総合事業「生まれ年度ごとの HPV ワクチン接種状況と子宮頸がん罹患リスクの評価とキャッチアップ接種者に対する子宮頸がん検診の受診勧奨手法の開発」
⑥2022.4~2025.03 厚生労働科学研究費補助金がん対策推進総合研究事業「がん研究に患者・市民参画を実現するための患者・市民に対する教育カリキュラム・プログラムの開発に関する研究」
⑦2022.01~2025.3 Japanese Society of Clinical Oncology and Pfizer Quality improvement RFPcompetitive grant program. 「Educational project to promote improved health care communication and multi-professional collaboration efforts to support cancer patients」
⑧2021.04~2026.06 MSD研究者主導型研究助成金Investigator Studies Program (MISP)「An Examination of the effect of cancer education by using word-of-mouth: cervical cancer prevention program in Japan」
⑨2020.4~2022.3 公益財団法人ファイザーヘルスリサーチ財団研究助成金「地域がん登録データを用いた本邦における異時性重複がんの疫学調査」
⑩2020年度~2022年度 厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)「次期がん対策推進基本計画に向けた新たな指標及び評価方法の開発のための研究」

ぐんまダイバーシティ地域推進ネットワークへの期待

多様な専門性や経験を持つ人々との「つながり」を新たなエビデンスとアクションに変え、地域から社会を動かすネットワークとなることを期待しています。

教育に関する情報

主な講義のテーマ 疫学の基礎理論、研究のデザイン、医療統計
担当講義名
  • ①疫学
  • ②疫学医療特論
  • ③調査・実験デザイン
  • ④医療データ科学
講義の概要 疫学、医療データ科学、調査・実験デザインなどの講義を担当しています。「研究とは何か」という基本から始め、研究の問いの立て方、研究デザインの選択、研究計画書の作成など、研究を進めるために必要な考え方と「お作法」を学び、演習を通して理解を深めます。特に重視しているのは、「価値ある研究テーマをどう見つけ、研究可能な問いにするか」です。AIが発達した時代だからこそ、答えを得る技術だけでなく、何を明らかにすべきかを自ら考え、重要な問いを立てる力を鍛えることを目指しています。

社会貢献に関する情報

社会貢献できる関連分野名 がん対策、実装科学、患者・市民参画、公衆衛生、疫学研究
参画している審議会・委員会名
  • 群馬県がん対策推進協議会委員
  • 群馬県がん登録・情報分析検討部会委員
  • 群馬県公害審査会委員
直近の講演会のタイトル 招聘講演:第11回日本がんサポーティブケア学会学術集会「患者・市民参画(PPI)を医療者に広げるためのマナビのツール開発」(令和8年5月)

特記事項

上級疫学専門家(日本疫学会認定)、公衆衛生専門家学会認定専門家(日本公衆衛生学会認定)

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