女性研究者シーズ集

群馬大学 ダイバーシティ推進センター
林 はるみ[ Hayashi Harumi ]
研究分野
母性看護学、助産学
主な研究テーマ
ドナー卵子で家族形成した(する)カップルへの支援、生殖補助医療を受けるカップルへの支援
キーワード
  • 生殖補助医療 Assisted Reproductive Technology
  • 卵子提供 Egg Donation
  • 家族の多様性 Family diversity
  • 男女共同参画 Gender Equality
  • ダイバーシティ Diversity

連絡先
群馬大学 ダイバーシティ推進センター 林 はるみ 教授
TEL : 027-222-7329

生殖補助医療で子どもが誕生したカップルの経験
Parent’s experiences of egg donation in Japan

生殖補助医療で子どもが誕生した男性の経験
 この研究では、生殖補助医療で妊娠した妻が出産するまでにパートナーの男性はどのような経験をするのか、(妻は同席せず)インタビューをおこないました。不妊治療による心身の負担が大きい女性を対象とする研究は多くありますが、夫に焦点を当てた研究はほとんどなく、この研究により男性の立場で経験していることが浮き彫りになりました。

卵子提供(ドナー卵子)で親になるという経験

近年、生殖補助医療(以下、ART)を受ける女性は年々増加し、治療する女性の年齢は40歳がピークとなっています。しかし、40歳代になると妊娠出産できる確率は極めて低く、治療は難治性となります。
さまざまな理由から、自分の卵子で妊娠できない女性がいますが、近年は加齢により自分の卵子で妊娠できない女性が増加しています。そのような女性の中には、渡航してドナー卵子による治療をおこない、国内で出産する女性が増えつつあります。私は科研費の助成を受け、女性とその夫はどのような経験をするのか、子どもへの告知をどうするのか?インタビューをおこない課題を明らかにしています。

多様な家族の形

2020年12月4日に、夫婦以外の卵子や精子を使った不妊治療で生まれた子の親子関係を明確にする民法の特例法が成立しました。第三者からの卵子提供で出産した女性を「母」、第三者からの精子提供を受け妻が出産することに同意した夫を「父」とするものです。
日本は家制度によって血縁を重んじる文化的背景があります。しかし、遺伝的つながりのある親子でも虐待の問題はおこっています。これからはLGBTQカップルなどを含め、ドナー卵子(精子)による家族が少しずつ増えていくと思います。私は家族の多様性について関心を寄せています。

外部資金獲得状況

<文部科学省 科学研究費助成事業>
・2012-2016年 基盤研究(C) 研究代表者:高度生殖医療後の妊娠-胎児の成長をめぐる夫婦関係を基盤とした妊娠期ケアの開発-
・2018-2021年 基盤研究(C) 研究代表者:日本型テリングの基盤となる卵子提供で家族形成した夫婦の実像
・2019-2022年 基盤研究(C) 研究分担者:高年齢不妊カップルのための初診から治療終結に至る意思決定支援ガイドの作成
・2022-2024年 基盤研究(C) 研究代表者:卵子提供を希望するカップルのための情報プラットフォームの開発と評価
・2022-2025年 基盤研究(C) 研究分担者:高年齢不妊カップルのための不妊治療に関する意思決定支援ガイドの実装研究

ぐんまダイバーシティ地域推進ネットワークへの期待

自身の専門分野の垣根を越えて異分野の方々と交流すると、自身の分野での「当たり前」は「当たり前」ではないことに気づきます。専門分野の垣根を超えるとき、自身の価値観の転換を迫られることもありますが、それによって視野が拡大していくと思います。
本ネットワークでは、異分野の研究者と多様な視点から意見交換することにより、価値観の転換や視野の拡大、そして共同研究の創出へとつながることを期待しております。

教育に関する情報

主な講義のテーマ 母性看護学、助産学、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、男女共同参画、ダイバーシティ
担当講義名
  • 知っておきたい男女の妊活とワーク・ライフ・バランス
  • 多様性(ダイバーシティ)について考えよう
  • ジェンダー論
  • 医系の人間学
  • ぐんま未来学
  • Jプログラム日本入門特別講義
  • 助産学(非常勤)・大学生のための役に立つ育児学(非常勤)

社会貢献に関する情報

社会貢献できる関連分野名 妊活に関すること・男女共同参画・ダイバーシティ推進に関すること・女性活躍推進に関すること・プレコンセプションケアに関すること
参画している審議会・委員会名
  • 渋川市男女共同参画懇談会 委員長
  • 新潟県助産師会 妊活相談委員会 委員長 他

特記事項

産業カウンセラー、不妊カウンセラー

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