核の大きさや形状を捉えることは癌を診断する上で重要な役割を果たしているが、現在、癌の診断にはヘマトキシリン染色が用いられており、診断者の主観がある程度入った評価である。これらの問題を解決するため、肺腺癌組織材料を対象とし、シグナルノイズ比がよい核の染色であるフォイルゲン染色標本および核膜を明瞭に染め出すことが可能であるエメリン免疫染色標本を作製し、一定のピントと光量で組織標本の画像取り込みが可能なWhole slide imaging (WSI)と画像解析を組み合わせた手法を用い肺腺癌の核所見を定量的に評価した。これによりヒトの鏡検だけでは捉えにくい肺腺癌の核の形状変化の特徴について明らかにした。
研究の特徴は、病理組織標本の客観的評価を行っている点である。特に組織標本を一定の条件(光量、ピント)で撮影し、その画像を画像解析ソフトで解析することにより、癌細胞の核の所見を連続変数で捉えることができる。これにより核形状の変化を詳細かつ客観的に捉えることができる。
様々な特殊染色、免疫染色および画像解析手法を用いた組織像、細胞像の客観的評価を癌の治療適応や治療効果判定に応用していきたい。
様々な方々と繋がりを持ちながら、研究を通して群馬県、女性の未来に貢献できればと考えております。
主な講義のテーマ | 組織・細胞診標本作製技術、細胞診断(スクリーニング)技術 |
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担当講義名 |
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講義の概要 | 組織・細胞診標本作製技術の原理・技術の習得。細胞診断(スクリーニング)技術の習得。 |
社会貢献できる関連分野名 | 公衆衛生(がん検診) |
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