大規模日本人女性コホート「日本ナースヘルス研究」や海外の女性コホート研究の長期的データを活用し、女性および看護職の心身の健康の長期的推移とそれに影響を与える因子を解明しています。具体的には、東日本大震災前後や周閉経期における抑うつ症状の推移を集団軌跡モデル等で可視化し、生活習慣や身体状況、生殖関連事象との関連性を多角的に分析しています。
また、これまでに看護職の筋骨格系疾患や、COVID-19パンデミック下における看護職の業務や生活状況についても調査・解析を行ってきました。看護職が心身の健康を保ちながら、就業を継続するための支援策の構築を目指しています。
女性のライフコースにおける健康という広い視点と、女性看護職の健康という視点の両方をもって研究に取り組んでいます。
<女性のライフコース疫学と日豪国際比較研究>
女性の健康は、一生の中で起こるホルモンバランスの変化に加え、社会文化的・生物学的要因や人種・民族による影響を大きく受け、国や地域によって多様な違いが生じます。こうした相違点や国を超えて共有される普遍的な共通点を解明するため、日本とオーストラリアの2つの大規模女性コホート研究から得られた長期的データを活用して研究を行っています。アジア文化を背景にもつ日本と、欧米的文化をもつオーストラリア在住女性の国際比較研究を通じて、将来的には日本だけでなく世界の女性の健康増進に貢献することを目指しています。
<看護職コホート研究を活用した持続可能な就業支援>
生産年齢人口の減少と高齢者増加に伴う医療需要の増大に直面する我が国にとって、保健・医療サービスの中核を担う看護職の確保と定着は最重要課題です。看護職としての臨床経験や看護管理学における研究経験をいかして看護職コホート研究に取り組むことで、看護職が心身の健康を維持し就業を継続させるための具体的支援策を提言することを目指しています。
抑うつ症状は慢性化するとうつ病へと移行し、若年期の自殺や産後うつ、中年期の更年期障害、老年期の認知症など、女性のライフコースにおける多様な健康課題との関連が問題視されています。精神看護学や精神医学、母性看護学や女性医学の分野との発展的な共同研究が可能です。
日本と同様に少子高齢化に伴う医療ニーズ増大の問題を抱える国に向けて、東アジアをはじめとする海外の看護職コホートとの国際共同研究への発展性を有しています。また、看護職の就業継続支援策を医療機関や行政など看護現場における離職防止・柔軟な就業形態の実装に向けたモデル事業へと展開することが可能です。
分野をまたいだ研究者同士の連携をさらに深め、群馬県から世界へ研究成果を強く発信できるようなネットワークとなることを期待します。
| 社会貢献できる関連分野名 | 女性医学、看護管理学 |
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