近年では子供の健康課題の複雑化・深刻化に加え、地域における人間関係の希薄化等により、地域社会や家庭における教育力の低下が指摘されています。養護教諭には子供の支援において、校内はもちろん、地域の専門家や関係機関との調整役が期待されています。そこで、本研究は、健康課題を抱えた子供の支援における養護教諭と教職員・関係機関等との連携・協働の現状を把握して課題を分析し、連携・協働を具体化するためのプロセスを明らかにすること。「中学生の心の健康に関する能力・態度及びソーシャルサポートの状況を把握するための尺度」を開発し、その活用を通して学校における多職種連携促進の一助とすることを目的としています。
子供が抱える現代的な健康課題として、いじめ、不登校などのメンタルヘルスに関する問題、喫煙、飲酒、薬物乱用、性の問題行動、生活習慣の乱れ、アレルギー疾患の増加、感染症などが指摘されています。これらの健康課題の多くは、子供を取り巻く環境が複雑に絡み合っており、単に子供たちの問題行動のみに着目して対応するだけでは、解決できないことが明らかとなっています。そのため、子供が心の健康を保持増進させるために身に付けることが望ましい能力と態度と自身を取り巻くソーシャルサポートをどのように知覚しているかを総合的に把握することができる「中学生の心の健康に関する能力・態度及びソーシャルサポートの状況を把握するための尺度」を開発し、中学校での活用を通して、心の健康支援体制の充実へ向けた介入プログラムとなることが特徴です。
学校が、子供たちの「豊かな学び」を実現するためには、子供一人一人の「育ち」を支援しなくてはなりません。しかし、子供が抱える健康課題は複雑化・深刻化しているため、一人一人に合った支援をするためには、学校と心理・福祉・医療等の多分野の連携・協働が欠かせません。
そこで、今後は心理・福祉・医療等の多分野との共同研究を進め、開発した「中学生の心の健康に関する能力・態度及びソーシャルサポートの状況を把握するための尺度」を一次予防及び二次予防に活用して、その有効性を検証し、健康課題を抱える子供の支援体制の充実を図りたいと考えています。
日本学術振興会科学研究費助成事業基盤研究（ｃ）「健康課題を抱える子供の支援において養護教諭が行う多職種連携の現状と課題」平成30年4月1日～令和5年3月3１日
日本学術振興会科学研究費助成事業基盤研究（ｃ）「児童虐待に対する養護教諭と関係機関との連携・協働に関する研究」平成26年4月1日～平成30年3月31日
群馬ダイバーシティ地域推進ネットワークを通して、県内の他大学、他分野の研究者の方々との交流や連携を深め、地域に還元できる研究活動へつながることを期待しています。
| 主な講義のテーマ | 学校保健、健康教育 |
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| 担当講義名 |
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| 講義の概要 | 養護教諭として活躍できる人材の育成に向けて、あらゆるライフステージの人々の健康の保持増進と疾病からの回復やQOLの向上を目指した健康教育の進め方や、学校保健に関する基礎的知識と技術に関する講義を行っている。 |
| 社会貢献できる関連分野名 | 母子保健、学校保健、教育 |
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| 直近の講演会のタイトル | ・「子供たちの現代的な健康課題とその対応」 ・「児童虐待防止に向けた取り組みについて」 ・「学力の向上と健康な体」 |