がん患者の治療は外来治療にシフトしており、患者は通院しながら治療により出現する副作用症状などにも自宅でセルフケアする必要があります。また、そのセルフケアは、身体症状の管理とともに、心理的な変化にも向き合い調整することが求められます、そのため、患者がもつセルフケア能力の活用を看護師が支援することが非常に重要となります。そこで、治療中のがん患者のセルフケア能力の向上に向けてストレングスにも注目した支援プログラムの開発について、プログラム案では「治療期にあるがん患者のセルフケア能力尺度」(Kumiko YOSHIDA,Kiyoko KANDA,Development and Validation of the Self-care Agency Scale for Cancer Patients under Treatment,THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL,67(1),13-21,2017.を活用する方法で研究をしています。
治療期にあるがん患者のセルフケア能力には、1.体調の変化をとらえる能力、2.自主的に判断し保健行動を形成する能力、3.がんの存在にとらわれないよう思考を和らげ進む能力、4.人とのつながりを保ち社会生活を調整する能力、5.生き方を見つめ自己の発達を促す能力が含まれることをこれまでの研究で明らかにしてきました。これらの能力を支えるためには患者がもつ「希望」も合わせて支援して行く必要があるため、国内と海外の論文のテーマにがん患者の希望を焦点にした研究の動向と今後の課題を捉えています。
国内ではがんの罹患率・死亡率は上位にあり、がん患者と家族を支援する看護の重要性は非常に大きいため、患者の治療継続とQuality of Lifeの向上に向け、臨床看護に有用な看護介入プログラムの開発と、その効果を検証し、活用していきたいと考えています。
また、患者の希望をより尊重した緩和ケアの充実に向け、医療分野や医療以外の分野の職種とも連携し、効果的な支援モデルの開発に関して共同研究および産学連携を目指したいと考えています。
2019年度~2021年度 文部科学省科学研究費基盤研究C
2016年度~2018年度 文部科学省科学研究費基盤研究C
2013年度~2015年度 文部科学省科学研究費基盤研究C
2010年度~2012年度 文部科学省科学研究費基盤研究C
2007年度~2009年度 文部科学省科学研究費基盤研究C
多くの女性が社会活動により個性を発揮し輝けるよう、貢献したいと考えています。
主な講義のテーマ | 慢性期看護学 |
---|---|
担当講義名 |
|
講義の概要 | 成人看護学の概論から方法論とセルフケア論を担当し、成人期における臨床看護を中心に講義しています。さらに、看護研究概論と研究ゼミナールを担当しており、研究の基礎と実践についても講義し研究の指導をしています。 |
社会貢献できる関連分野名 | がん看護・慢性期看護・看護教育関連 |
---|---|
参画している審議会・委員会名 |
|
直近の講演会のタイトル | 「NANDAのさらに有効な活用に向けて」 |