女性研究者シーズ集

群馬県立女子大学 文学部総合教養学科
歸山 亜紀[ Kaeriyama Aki ]
研究分野
社会学
主な研究テーマ
社会調査法、労働社会学
キーワード
  • 社会学 sociology
  • データ収集法 data collection
  • モード効果 mode effect
  • コンピュータ支援調査 computer-assisted interviewing
  • パラデータ paradata

連絡先
群馬県立女子大学文学部総合教養学科 歸山 亜紀 講師
TEL : 0270-65-8511 FAX : 0270-65-9538 MAIL : kaeriyamamail.gpwu.ac.jp

量的社会調査の方法論研究
Survey Methodology

わたしの専門は社会学です。社会学が担う仕事は、社会的事実を明らかにしたり、また、さまざまに生起する社会問題への対応と解決策を考えたりすることです。研究スタイルは、計量社会学というものです。計量社会学は、量的社会調査による大量観察データを分析することによって、社会の姿や人びとの生活を描き、理解するものです。
このとき、必要となるのが適切に測定された社会調査データです。そのため、いかにして適切なデータを得るかを考える社会調査の方法論研究が重要です。最近は、とくにコンピュータ支援を用いた社会調査の方法について研究しています。

調査モード効果の検証とCAI調査におけるパラデータの活用

日本社会では、1990年代以降さまざまな分野において急激なICT化が起こり、それは当然、社会調査モード(実査の方法)にも及びました。学術的社会調査においては、伝統的に紙の調査票に筆記具で回答を記入する方法(個別面接法、郵送法、留置法)が用いられてきましたが、ICT化によって、コンピュータ支援を用いた新しいモード(CAI: Computer-Assisted Interviewing)での実施例が見られるようになりました。
CAIの利点はたくさんあります。たとえば、紙の調査票では回答をコンピュータに入力していましたが、CAIではその必要がなく、入力にかかるコストやエラーが縮減できます。プログラミングによって回答者や回答に応じた質問文・回答選択肢の表示ができるため、複雑な構造の調査票での調査が可能です。質問文や回答選択肢をランダムに提示することもでき、調査票内の文脈効果(前に尋ねた質問やその回答が後の回答に影響すること)を検証できるようになりました。また、コンピュータに記録される時刻、回答所要時間、座標等の豊富なパラデータが利用できます。パラデータを分析することで、調査実施の状況を把握し、さまざまな改善に活かし、調査データの質を高めることが期待されています。
しかし、モードの違いは調査結果に影響するかもしれません。CAIの調査結果とこれまで伝統的なモードによる過去の調査結果を分析して、差異を発見したとしても、その差異が時間経過によるものなのか、モードが違うためなのか見分けることは容易ではありません。そのため、CAIとこれまでのモードがもたらす調査結果への影響の有無や方向性、そのメカニズムを明らかにすることはたいへん重要で、わたしはこの課題に取り組んでいます。

方法論的検証、改善による社会調査データの質の向上

社会学以外の学問分野においてもたくさんの調査票調査がなされています。実査の状況を検証、改善し、得られるデータの信頼性を担保することが方法論研究の目的ですので、調査票調査を行うさまざまな分野との共同研究ができると考えています。
また最近は、数値データだけではなく、テキスト(文字)データを計量的に分析することも行っています。文字データを扱う分野との共同研究も実現できればと思います。

外部資金獲得状況

「がん闘病ブログの計量テキスト分析」
公益財団法人電気通信普及財団: 研究調査助成(社会科学分野)
研究期間: 2018年4月 – 2019年3月    代表者: 歸山 亜紀

「計量社会学的方法による若年層の価値と規範に関する国際比較研究」
科学研究費助成事業(基盤B)研究分担者
研究期間: 2016年4月 – 2019年3月    代表者: 轟 亮

「労働組合組合員調査にみる再帰的近代における労働者意識の変容」
 科学研究費助成事業(挑戦的萌芽)研究分担者
研究期間: 2016年4月 – 2018年3月    代表者: 田邊浩

ぐんまダイバーシティ地域推進ネットワークへの期待

女性研究者に関する情報を一元化し、公開することで、研究の成果やその可能性を広く発信することは素晴らしいことです。これを通じて、県内の研究者との新しい共同研究が生まれることを期待しています。

教育に関する情報

主な講義のテーマ 社会調査法、社会階層論、現代社会論、労働社会学
担当講義名
  • 社会学
  • 社会現象を考える
講義の概要 近年、社会調査の必要性は一般にも広く認識され、学術研究以外でもたくさんの調査がなされています。しかし、正しい技術や方法を身につけている人が少なく、いいかげんな調査も多いのが現状です。「社会学」では、調査者として、情報の受け手として、調査の対象者として、さまざまなレベルで社会調査に関わるときに必要となる知識や技術を教えています。「社会現象を考える」は、現代社会論の入門的な内容です。この授業では、現代社会をU.ベックのいう第2の近代としてとらえたとき、そこにおける諸現象を社会学がどのように扱っているかについて、いくつかのトピックを取り上げて、その分析例を示し、解説しています。

社会貢献に関する情報

社会貢献できる関連分野名 市民調査、格差・不平等または貧困、若者と労働
参画している審議会・委員会名
  • 群馬県みどり市「まち・ひと・しごと創生総合戦略」検証委員
直近の講演会のタイトル 社会調査とは何か:社会を正しく知るために

特記事項

社会調査士、専門社会調査士

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