シャーガス病は南米型トリパノソーマが引き起こす寄生原虫疾患で、心疾患、消化器疾患等多様な病態を呈するが、病態についてはほとんど研究されていない。治療薬は2種類しかなく、有効性、副作用等の問題があり新規治療薬が望まれている。本研究では、次の3つの目標を設定する。①シャーガス病の多様な病態をおこす原虫側病原因子の同定と病態の解明。②治療薬候補化合物の探索、天然物資源由来シーズ選定と薬剤開発基盤の確立。③既存薬およびGTN化合物等の工業的合成法の確立。分子疫学、細胞生物学的手法を用いて多面的な研究を行う。
➀分子疫学,ゲノム病理学的アプローチを用い、遺伝子データベースを作成するとともに、シャーガス病慢性期動物モデルを構築し、病態を起こす原虫側病原因子を同定する。②流行地分離株に対する IMDおよびGTN化合物等の効果および既存薬との併用効果を検証する。慢性期動物モデルで候補化合物の効果を評価する。安定性、薬物動態等、前臨床試験に必要な全てのデータを取得する。相手国天然物資源から抗原虫活性を指標として化合物を分離し、新規治療薬シーズを選定する。③既存薬およびGTN化合物等の合成法を開発し、工業的合成法を確立する。
シャーガス病の治療薬はたった2種類しかなく、副作用が強い、長期投与が必要など多くの課題がある。また、流行地が中南米の開発途上国が中心であるため製薬企業の参画が進んでいないが、新規治療薬が求められている。本研究室ではトリパノソーマの培養、化合物のアッセイ系を有している。治療薬候補となる化合物を保有または合成している研究室と共同研究することにより、新規薬剤開発につながる研究ができると考えている。
ネットワーク内の研究者と共同研究することで、個々の研究室だけではできない大きな研究に発展できるとよいと思います。
主な講義のテーマ | 病原生物学 |
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担当講義名 |
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講義の概要 | 感染症に関する講義および実習が中心である。 |
社会貢献できる関連分野名 | グローバルな感染症分野 |
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参画している審議会・委員会名 |
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直近の講演会のタイトル | 世界への道⇄女性科学者への道 |