女性研究者シーズ集

群馬大学 大学院医学系研究科
谷口 委代[ taniguchi tomoyo ]
研究分野
寄生虫学、免疫学、微生物学
主な研究テーマ
防御免疫、宿主病原体相互作用
キーワード
  • 感染免疫 infection and immunity
  • マラリア malaria
  • 腸内細菌 microbiota

連絡先
群馬大学大学院医学系研究科国際寄生虫病学 谷口 委代 助教
TEL : 027-220-8023

マラリア感染病態への腸内細菌の作用機序の解明
The mechanism of action of microbiota in malaria infection

マラリアの病態や防御免疫を、腸内細菌との関与という全く新しい角度からの検証する研究課題に取り組んでいる。マラリアは、Plasmodium属の原虫により引き起こされる疾患であり、熱帯および亜熱帯地域に広く蔓延している。マラリア原虫は赤血球と肝細胞に感染し、腸管寄生ではないため、感染において消化器症状が高頻度に認められるにもかかわらず、その詳細は不明であった。我々はこれまでに、マラリア原虫に感染したマウスでは、腸内細菌叢が劇的に変化して腸内細菌バランス失調(dysbiosis)が生じていることを明らかにしている。脳マラリアを含むマラリアの病態に腸内細菌が関与する可能性が示されていることから、現在、その詳細について解析を進めるとともに、マウスモデルの知見をヒトで検証を試みている。

マラリアの重症度を改善し、多くの命を救う可能性がある

腸内細菌叢の変調は、肥満、糖尿病のような代謝性疾患、自己免疫疾患、アレルギーのような免疫疾患、統合失調症、自閉症のような精神疾患等、様々な疾患の発症に関与していることが明らかにされている。腸内細菌の変調は、全身の免疫応答に影響することが示唆されており、マラリアについてもその可能性を示す結果が蓄積されつつある。腸内細菌叢を変えることはマラリアの重症度を改善し、毎年何千、何万人もの命を救う可能性がある。しかしながら、腸内細菌がどのようにマラリア感染病態に影響を与えているのか、どの腸内細菌が、どのような因子がそのメカニズムに寄与しているのか、未だ多くが未解明のままである。マラリア病態への腸内細菌の作用メカニズムが明らかになれば、マラリア対策の新たな戦略を提案できる可能性が広がる。

免疫は病の指標?

免疫は、疫を免れる生体の仕組みである。一方で、免疫が正常に働かない、過剰に働き過ぎてしまうと、それはまた病を引き起こす原因となる。そして一度、感染した病原体には二度は罹らない「二度なし現象」と言われる免疫だが、マラリアには、何度も何度も感染してしまう。マラリア感染から見る免疫現象は、胸腺の萎縮、免疫抑制、髄外造血、自己抗体の産生、等々多彩であり、さらに、何度も感染した末にマラリア流行地域の人々が得る自然獲得免疫という現象がある。マラリア原虫に対する免疫応答を含め、免疫学は非常に複雑で難解だが、一方で免疫学には、健康につながるヒントがたくさん詰まっている。現在行っている研究はマラリア感染だが、様々な現象・ものに対する免疫応答について、共同研究への発展性がある。

ぐんまダイバーシティ地域推進ネットワークへの期待

新たな研究や人とのつながりを期待したい。

教育に関する情報

主な講義のテーマ 寄生虫学
担当講義名
  • 寄生虫学講義・実習
  • 選択基礎医学実習
講義の概要 寄生虫学講義・実習では、寄生虫の生活史の基本原理、臨床的に問題となる病態について学び、実習において、実際に観察を行う。
選択基礎医学実習では、研究室において基礎研究の基本的技術ならびにデータ解析法と情報収集法、レポート作成法を学び、実験を行ってレポートを作成する。

社会貢献に関する情報

社会貢献できる関連分野名 寄生虫学、免疫学

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